はじめに

ずっと興味があったミミズコンポストを引越しを機に作ったのですが、なにぶん流行が廃れたからなのかブログに代わってSNSが台頭してきたからなのか情報が10年ほど前の時点で途切れてしまってなかなか集まらず、かなり手さぐりになりました。
とりあえずいろんな情報を漁りまくって「それなりにいいんじゃない?」というものができたところで満足していたのですが、Facebookで偶然にもミミズコンポストに興味を持っている人と話すことがあったので、こうして検索しやすい形で記録を残そうかなと思って書いてみた次第です。

ちなみにこのブログ立ち上げを機にWP現行エディタのGutenbergで書いてみることにしました。慣れたら使いやすいらしいし…慣れたら…。

ミミズコンポストとは

いわゆる家庭用の生ごみ処理を分解者として優秀なミミズに行ってもらおうというものです。

生ごみの処理方法としては【バイオ式】【乾燥式】の2つが大まかにあり、
菌類によって分解させようとする【バイオ式】の場合は分解後に質のいい堆肥ができますが、畑などに穴を掘って放置するタイプだと臭いが出ますし、室内置きの機械でバイオチップなどを利用して分解するものはランニングコストもかかるし何より機械が高いです。
乾燥させて体積を減らして捨てる【乾燥式】のものはそもそも「生ごみを捨てやすくする」だけで堆肥化させてないので面白くない。あと電気代がけっこうするみたいです。

その点ミミズを利用すれば分解速度もかなり早く、臭いも出ませんし、残った堆肥や液肥は有機100%で効果もすこぶる高いです。ただしデメリットもあり、そこそこの数のミミズがそろうまで真価が発揮されないうえに環境が悪くなるとミミズが脱走したり死滅したりします。
あと食べられないものもありますし、屋外置きの場合は邪魔な虫が住み着くこともあります。
真価を発揮しているときは1日で自分の体重の半分ほどのゴミを食べるらしいですが本当かどうかは知りません。

タイプを決める

容器と床材とミミズさえあればすぐ始められるんですが、市販品は高いしそもそも物を作るのが好きなので自作します。
調べてみると3つほど仕様があるみたいで、

・容器にミミズと餌と床材を入れるだけの簡単設計。
段ボールや発泡スチロールなどを用意すればすぐできるが、堆肥を回収する際にミミズを分離するなどの作業が必要。あとは液肥の処理も考えないとミミズがおぼれるし、容器をあまり深くすると酸欠になりやすい。

・いくつかのブロックを積み重ねたような設計。
売られてるのは大体このタイプだと思います。
ミミズを飼っている段が堆肥(みみずのうんち)でいっぱいになってきたら上に1段追加し、そこに餌を入れることで下からミミズが移動してきて下段には堆肥のみが残るので手動でのミミズの分離が不要。ただし、たくさん重ねると下の方の堆肥を取り出すときに重い。

・下に穴をあけて堆肥や液肥はそこから取り出す設計。
フロースルーとかいうやつです。ブロックを重ねたやつもフロースルーっていうのかもしれませんが、ここで言っているのは段を組み替えたりすることなく、上から生ごみを入れたら下から堆肥をほじくり出して回収するタイプ。
自作してる人はこれが多いみたいです。ただし浅いと下からミミズが落ちてきます。

なるべくメンテナンスをしたくないので「ぼくのかんがえたさいきょうのみみずこんぽすと」は3番目のフロースルー式で作ります。
ちなみに設置場所はマンションのテラスで日中は明るい日陰になる場所です。

材料をそろえる

最初は2×4材などの材木で作ろうかと思ったのですが、木材だといずれ腐食するし、万が一木材に防腐剤が使われていると嫌なので断熱性は捨ててベランダ用のプラスチック収納ボックスを利用することにしました。屋外に放置する前提で作ってあるし安いので。

コンポストに使うミミズは潜っても20〜30cmほどまでだとどこかで見た気がするので、下からの脱走を防止するためにも中身の深さは40cmくらいにしたいと思います。なので箱の深さはそれ以上必要。
フロースルーだから酸欠にはなりにくいとは思いますが、ミミズコンポストにしては大容量だし一応空気が箱内を巡りやすいようにゴルフクラブを収納するときに使うネトロン(網でできた筒)を使って工夫もします。

あとは家にあった1×4の廃材なども脚としてちょちょいと使います。目指すは、簡単だけど見た目もそれほどダサくないコンポスト!

つくる

まず、収納ボックスの下に穴をあけます。
ほかのDIYしている人の記事を見るとプラ箱で作る場合は底を全部くりぬいてその下に置く木枠にロープを張ったりしていますが、丈夫な木枠を作るのが面倒なのでプラ箱の底をはしご状にくりぬきます。
かなり穴の幅が広いですが、時間がたって重力で圧縮された堆肥は勝手に下に落ちることはあんまりないそうです。あとあまり細かく刻むと箱の底部が弱くなりそうなので、補強のラインを残す形にしたらこうなりました。

下に置く液肥受けのサイズの関係で左右に液肥誘導ガイドをつけてます。
液肥ガイド
100円均一の薄いアクリル板


最初はプラスチック用カッターなどを使ってちまちまやっていたんですが、なかなか進まないのでイラっとしてセーバーソーで切ったら驚くほどすぐに終わりました。切り口は雑になったけど最初からやってればよかった。

蓋は取っ手をつけたら2センチの換気穴を開けて100円均一の網戸補修シールを張り付けてます。

外装
試しに開けた1cmでは穴が小さすぎたので後で拡張してます。
ふた裏側
この写真では上部4か所だけ空けてますが、夏になってから前面と左右にも2か所ずつ空けました。

内部は四隅にネトロンを固定し、ここから空気が入って行ってくれたらいいなあと…願望。

箱内側の基礎
「ネトロン」という名前が分からずに探すのに時間がかかった。
床材の初期脱落防止
床材が落ちないようにインクのない紙を敷きました
枯葉の床材
スタートアップの床材は公園から回収した落ち葉

床材としては適度な湿り気を帯びるものなら何でもいいそうなんですが、圧縮ヤシガラ繊維(ピートモス)は近所で手に入らなかったし新聞紙はインクがなんか嫌だったので秋のうちに公園で拾ってきた落ち葉を中に敷き詰めました。枯葉の下には通販の緩衝材として入ってたわら半紙を大量に敷いています。(あとでも書いてますが、乾燥した状態の枯葉を敷き詰めるのはNGでした…。)

あとはとある脱走防止策を考えているんですが、この時点で海外から材料が届いていなかったのでこのまま飼育に入ります。

飼育開始

床材も用意し終わったのでいよいよミミズ君の準備に入ります。コンポストで使用するミミズは地面を掘ってく出てくるドバミミズ(フトミミズ科)ではなく、シマミミズ(ツリミミズ科)を利用します。
ドバミミズは主に土中で土を食べながら潜って耕すやつで、畑で歓迎されるのはこっちです。シマミミズは土じゃなくて腐敗有機物を主に食べるので、コンポストにはこいつの力が必要なわけです。
まあ、ミミズって研究している人がほとんどいないみたいで情報があいまいな点が多く、この食性もどこまで的確かはよくわからないですけど。

で、地面を掘って手に入らないならどうすればいいかというと、買えばいいわけです。世の中にはコンポスト用にキロ単位でミミズを売ってたりしますが、まあまあいいお値段がしますし自作コンポストでちゃんと生きていけるのかわからないので、少数から始めたいと思います。すぐ増えるらしいし。
なので、近所で釣具店を探して餌として売っているのを飼ってきました。とりあえず2種類売ってたので2箱。違いはよく分かりません。

買ったミミズ
ミミズちゃんフレンドの方が安い

こういうミミズって製紙会社が副業でやってるらしいです。紙くずをあげてれば育つんですからいい廃材活用ですよね。

で、このミミズを箱の内容物ごと枯葉の上にひっくり返し、適当に水を霧吹きでかけて後は放置!!あとは毎日霧吹きで水をかけつつ様子を見てゴミをあげていきます。
…が、これがなかなか増えないんですね。というか、めっちゃ逃げ出す。夜になると逃げだして朝にカラカラになって干からびているのを繰り返し、多分1週間で半数くらいが天に召されてしまいました。

『逃げる=環境が悪い』ということなので色々調べなおしたんですが…どうも水をかけて湿らしているとはいえ枯葉をそのまま入れたのが悪かったみたい。よく考えたら全身敏感肌のミミズ君たちをガサガサの枯葉の中に突っ込んで気持ちよく過ごせるわけがなかった。
コンポスト内をひっかきまわして中を確認した時も、枯葉を保管しているときに偶然水が溜まって腐食した葉っぱの塊の周りにいたし。本来はミミズを入れる前にある程度腐らせておく必要があったみたいです。

で、そこで反省して100円均一で圧縮ピートモスを買って来たんですけど、全部敷き詰めるだけの量を買うのは金がかかりそう。というわけで安い園芸用培養土やバーミキュライトなんかも買ってきて床材にしました。とにかく湿って柔らかくなればいいわけです。
化成肥料を入れたくなかったんで赤玉土とか買おうかなと思ったけど、西友の培養土がめっちゃ安かったのでそれにしました。さすがに公園を掘り返して土を持ってくるわけにもいかんし。
ちなみにバーミキュライトは仕上がりの堆肥を軽量化させるために入れてます。あとは近所で庭の手入れをした時に出る葉っぱやらなんやらを貰ってきて入れました。

有機物はすぐにカサが減るのでこれでも深さ的には全然当初の目標より低いんですけど、あとはまあ堆肥がたまって徐々にカサが増えればいいなあといった感じです。しばらくしたら枯葉も生葉も見る影もなくなり、ミミズの脱走もなくなりました。蓋に張り付いていることも一切ないので、ようやく中国から届いた銅箔テープで脱走防止ラインを作ったのもよかったんだと思います。

脱走防止線
こうか は ばつぐんだ!

いろんな人のブログを見るとよく 蓋に ミミズがくっついてるらしいんですが、本当に1度もそういうのがないです。園芸用品でナメクジやミミズ除けとして銅製品があったのでもしかしたらうまくいくかなーと思ったら大正解でした。
amazonで安いのを買ったら最初は届かず、別のところで買い直したりなんだりで思いついてから入手するまでに1ヶ月以上かかりましたけど。
緑青ってどうなんだろうと思いましたけど、毒性は気にしなくていいほどみたいですし、そもそも内容物に触れない位置なのでまあいいかなと。1センチ間隔で貼っているのは万が一みみずに跨がれた場合の対策です。

ちなみに我が家でミミズにあげていいのは未調味のもののみとしています。
ミミズの生息域に塩分の濃いものは基本的に存在しないだろうし、いずれ堆肥として使いたいので土中塩分濃度が高いと作物が塩害とかになってしまう可能性があるためです。ほぼ液体なミミズの浸透圧に異変があるとすぐ死にそうですし。

あとは柑橘系の皮やニンニク・玉ねぎ・生姜などの刺激が強かったり殺菌作用があるものは基本的に不可にしてます。たぶん使えないことはないんだろうけど、推奨していないという情報が多かったので。

ちなみに、種類にかかわらず輸入作物の皮はあげないようにしています。ポストハーベスト農薬とか怖いし。

問題発生1:コバエがすごい

特にカサが少なくて生ゴミが完全に隠れてなかった時に起こったんですけど、まー、すごい。わっさーーーーとコバエが出てきました。空気穴にはメッシュをつけてるんで基本的に箱から出てこないんですけど、開けた時がやばい。
食虫植物を買ってきて中に配置したりめんつゆトラップを複数入れたりしたんですけど、結局生ゴミが完全に隠れるまで上から土をかけたら徐々に減っていきました。
あと食虫植物は日照不足で枯れかけました。

問題発生2:ゴミが減らない

これはまだ枯葉が原型をとどめている頃に起こりました。
卵の殻も食べるとか果物の皮はミミズが大好きで1日で消えるとかどこかのブログに書いてあったのでためしに入れてみたのですが、全然なくからない。いつまでも形が残ってしまって結果的に問題1のコバエの大量発生にも繋がってしまいました。

これは結局まだミミズの数が少なかったのと、生ゴミがいい感じに腐りだすほどの微生物が箱の中にまだいなかったんだと思います。普通に考えてミミズに歯は無いんで果物の皮や卵の殻なんてそのまま齧れるわけがないんですよね。
好気性の微生物がいい具合に腐らせてくれて、それをミミズが食べるから臭いも出ずに爆速で堆肥になるわけですし。

これは土を投入して常に腐葉土レベルで湿らせておけば自然と解決していきました。

問題発生3:箱内が暑い

梅雨が明けてから気温がどんどん上がり出しまして、また夜中にミミズが底穴から大量脱走&翌朝にミイラ化する日々が始まりまして…。さすがに温度を確認しないといけないと思って地温計を買って測ってみたら、夜なのに30度を超えてました。
これはいかん、ミミズが溶ける!!でもどうすればいいかよくわからん!!!

とりあえず毎朝毎晩氷を投入してみたら脱走が一気に減ったんですが、1週間後に連休を控え、数日間家を空けることが決定している&気温が35度を超える予報になっており、このままでは本当に全滅する…という危機を迎えたのでとりあえず12Vブロアで簡易的な送風機を作ってデジタルタイマーで1時間おきに3時間稼働するようにしました。
これが思いの外よくて、氷を入れなくても朝方水を撒いておけば気化熱でいい感じに冷やしてくれました。夜には送風機真下の土は一部カラカラになるほど。

小型ブロワ
倒れないようにLEGOデュプロでガイドを作ってます。

まあ、ただでさえ暑ところに放熱処理もせずハードな使い方をしたので1ヶ月後くらいに気づいたら焼きついて壊れてましたけど…。放熱板、買ったまま面倒になって使ってなかった。
とりあえず酷暑の時期は乗り切れたのでよかったです。

問題4:液肥がだだ漏れ

これは問題というか、いい感じのサイズの液肥受けがなかったので作ろうと思ったまま放置している間に酷暑になり、外に出たくなくてずっと液肥受けを作らずにいたから溢れ出てきたってだけなんですけど。

最初は液肥なんて全然出てこなかったから油断してました。毎日散水するようになってある朝気づいたら床がめっちゃ茶色になってた。水分の多いものをたくさん入れてもよく出るみたいです。
とりあえず見た目がかなり悪いのでいそいで液肥受け作りました。

液肥受け製作
昔作ったものの分解材をリサイクル
液肥受け
防草用塩ビシートをシリコンシーラントで貼り付けました

液肥は特に溜めずにすぐプランターへぶちまければいいかなと思ってるのでフチは浅めです。まあ、いい具合の材料が家になかっただけなんですけど。

まとめ

こんな感じでとりあえずいい具合に稼働するようになったミミズコンポストですが、まだ春夏しか稼働してないので越冬がどこまでうまくいくかは不明です…。が、まあ酷暑よりは乗り越えやすいかなと思ってます。大容量で中身が冷めにくいと思いますし。
掘り返すとたまにベビーを見つけたり卵っぽいのがあったりと、順調に数を増やしてくれているミミズたち。これからどんどん増えてもっと消化サイクルをはやめていってほしいものです。たぶん満足な数になるのは早くとも来年の春頃かなー。

ちなみに、同時進行で作ってたアクアポニックスでの実験用に公園で採取してきた浅層のドバミミズも数匹途中から参加してます。
土もそこそこ投入しているし、なんとなくドバミミズの方が土を団粒化させるのが上手かなーと思って入れてみたんですが、その後姿を見ていないので今も元気に生きているのかは不明です。そもそもぱっと見で判別できるほどの知識はないんですけど。子供サイズだとシマミミズの縞も見にくいし。うまいこと繁殖してくれてたら嬉しいなあ。

こみみず